学校へと向かう足取りが、ものすごく重い。
友達ができなくても、クラスでひとりぼっちでも、今まで今日ほど強く行きたくないと思ったことはなかった。
昨日相沢くんは念の為に早退したから、保健室を飛び出してからは会っていない。
気まずい。でももしかしたら、そんなすぐに怪我も治らないだろうから大事をとって休むかも。
うん、そう。きっとそうだよ。
自分にそうやって言い聞かせると、なんとあ足を進めることができた。
「おはようございます」
学校に到着し、文実委員が集まるいつもの教室へと入る。
先輩たちや、同じ学年の違うクラスの子たちが挨拶を交わしてくれる中、私は相沢くんがまだいないことにホッとした。
「香波ちゃん、おっはよー!」
「柏木くんっ。おはよう」
「今日相沢休みだってー!」
「……あ、そうなんだぁ」
相沢くん、やっぱり休みなのか。
よかった……会って笑えるほどの元気は、今日はなかったから。
静かに自分の席に座ると、ガラリと教室の前のドアが開き、文実委員の副委員長が入ってくる。
いつもなら野川先輩なのに、今日は副委員長が教壇に立った。
「えー、今日は野川委員長が欠席なので、俺の指示で動いてもらいます。じゃあ、まずは今日やる作業の分担から……」
え……野川先輩休みなの……?
野川先輩“も”……?