「確かに、復讐のための道具としてお前を拉致した。でも、一緒に過ごすうちに好きになってた。光に似てるからじゃない、千夏だから好きなんだ」
「でも私は、あなたの妹を殺した犯人の娘……」
「そんなの関係ない、千夏は千夏だ。お前は俺のために泣いてくれた、俺に笑いかけてくれた。だから好きになった。それだけじゃダメか?」
優しく問う遥。千夏は首を横に振る。
「私も遥さんのことが大好きです…!!」

お互いを確かめ合うように強く、優しく抱き締めた。
「千夏…ごめんな…。こんなことに巻き込んで…」
「ううん…不謹慎だけど、私は遥さんと出会えて嬉しかったよ」
本当に嬉しいのか、千夏はあどけない笑顔を見せる。

「俺、あとで千夏の両親に電話して謝るよ。金は受け取らない、お前を家に送ってから自首する」
「私も、お父さんに自首してもらう」
「うん、ありがと」
笑い合い、手を強く握り締めた。

「出所したら…俺付き合ってください」
「はい…待ってます」

「そんな事は許さん!!」

「──!?」
突然倉庫内に響いた声が、2人の世界を壊した。
「お父さん!!」
声がした方を見ると、なんと千夏の父親が1人でそこに立っていたのだ。

「また会ったな、おっさん」
「娘を返してもらおうか、浅井遥」
眼鏡を光らせる千夏の父。だが遥は、彼が何も手にしていない事に気付いた。
「……金は?」
「そんなものは必要ない。お前はここで……死ぬんだ」
父は内ポケットから銃をだし、遥に向けた。