「あなた、八木君だっけ?さすがにクラスを取りまとめているだけはあるわね。正解よ、ガイドさんを撃つことは想定外だったのよ」

 八木はまっすぐに女を見つめていた。それは『でも、撃ったじゃないか』と抗議しているかのようにも見えた。

「無駄な血は流したくなかった。そう、これは復讐なの。だから警察との交渉なんて必要ない。欲しいのはお金じゃない、『つぐない』なのよ」


 その瞬間、弥生は自分の頭に何かしらの残像が浮かぶのを感じた。

___これは、何?

 女は、復讐だと言った。そして、その原因が私たちにあると・・・。

 何かが頭をよぎる。

 
 弥生は、うつむくと目を固く閉じ、その残像に焦点を合わそうと意識を集中した。