「おい・・・」
震える声でタツヤが言う。

「あなたは一生、人を死なせてしまった罪悪感を抱えて生きてゆくといい」

「待てって言ってるだろ!」
タツヤの咆哮が銃声にかき消された。

 続いて、もう一発。

 ふたりの名も知らぬ同級生が、糸の切れた人形のように今田佳織の死体に重なるようにして倒れた。

 火薬の臭いと血の臭いが漂う中、悲鳴は上がらない。

 誰もが、まるで悪夢の中にいるように声すら出せずにいた。

 弥生は自分の手が震えているのを感じた。

___私は関係ない、私は関係ない

 震えは手から身体を駆け上がり、歯を震わす。