「いい?私はこの子たちに死体を動かすように頼んだわけ。でも、彼女たちはできない」

「だから・・・」
そうタツヤが言いかけるのを女の言葉がさえぎった。
「つまり、彼女たちは私の頼みを断ったってこと。そうでしょう?」

「いや・・・それは」
タツヤの横顔から血の気が引いてきているのが分かった。ようやく状況を理解できたように、おろおろとしだした。

「あなた、ひとりでも運べるんでしょう?だったらこの子たち、いらないじゃない?」

 形勢は不利だ。ていうか、はじめからタツヤに軍配はなかったのだ。

「ちょ、ちょっと待ってくださいよ」

「いい?あなたはおもしろおかしく提案をしたんでしょうけれど、それが人の命を奪うこともあるってことを学習しなさい」