女と目が合ったと同時に、弥生は制止をやめ顔を下に向けた。

___私は関係ない


 そうアピールするかのように、微動だにせず黙り込む。

「なに?」
女はタツヤに尋ねているようだった。声だけでも、その表情が微笑んでいるのが分かる。

「あのぉ、俺、手伝っていいっすか?」

「どうして?」

「女ふたりじゃムリっすよ」

「さっきはこれがひとりでやってたわよ」

 弥生が顔を上げると、”これ”と呼ばれた今田佳織の死体を女が不思議そうに指をさしているところだった。

「はぁ、でも、なんか泣いてるしさ。さっさと視界から外したいんすよね。なんなら俺ひとりでできるっすよ」