フン、と鼻をならして笑った女は、岩崎の方へ首を向けると、
「岩崎さんね。1つ教えておいてあげるわ。この世にはね不条理なことってあるの。それはこれから社会に出ると、もっともっとたくさんあるわ。納得できなくても受け入れるしかない・・・そういう出来事はあるのよ」
と静かな声で告げた。

「何言ってるのよ!あんた頭おかしいんじゃないの!?」
岩崎は、さらに憤慨したように前に出て言う。

「席に戻りなさい」
冷徹な声で女は岩崎に告げた。

「ちょっ・・・聞いてんの!?あんたさ、いったい」
岩崎がいまにもつかみかかろうと女に手を伸ばした瞬間、何かが爆発したような音がして岩崎の身体がふっとんだ。

 後ろから見ていた佳織には、すぐに分かった。

 女が銃を打ったのだ。