山本は車を本線に進ませながら、何度も佳織を見てきた。目が合うが、佳織には何のリアクションすらとれない。背中に当てられた銃口の形がやけにリアルに伝わる。
返答がないことを肯定と受け止めたのか、女は続けた。
「座席の一番後ろの列だけ空けて、生徒達を後ろにつめて座らせなさい。いい?一番後ろの列は空けること。さぁ、指示を出しなさい」
座席の一番後ろを・・・。女の言ったことを反芻するようにつぶやくが、思考回路が追いつかない。それでも、背中を銃口で押された佳織は、ステップを上がりきるとイヤホンマイクを手に取った。
鳥岡と視線が合うが、ステップの途中に立っている女の姿は見えないようで、一瞬微笑むと持っている行程表に視線を戻してしまった。
山本は、女の持っている拳銃に気づいたのだろうか?
左後ろを確認しようとするが、身体がこわばって言う事を聞いてくれなかった。
「あの・・・みなさん」
タンがからんだような声が出た。
生徒達は隣前後との会話をやめない。
息が苦しかった。まるで全力疾走した後のようにうまく酸素がすえない。
返答がないことを肯定と受け止めたのか、女は続けた。
「座席の一番後ろの列だけ空けて、生徒達を後ろにつめて座らせなさい。いい?一番後ろの列は空けること。さぁ、指示を出しなさい」
座席の一番後ろを・・・。女の言ったことを反芻するようにつぶやくが、思考回路が追いつかない。それでも、背中を銃口で押された佳織は、ステップを上がりきるとイヤホンマイクを手に取った。
鳥岡と視線が合うが、ステップの途中に立っている女の姿は見えないようで、一瞬微笑むと持っている行程表に視線を戻してしまった。
山本は、女の持っている拳銃に気づいたのだろうか?
左後ろを確認しようとするが、身体がこわばって言う事を聞いてくれなかった。
「あの・・・みなさん」
タンがからんだような声が出た。
生徒達は隣前後との会話をやめない。
息が苦しかった。まるで全力疾走した後のようにうまく酸素がすえない。