「あのぅ、ガイドさん」
声に振り向くと、生徒の男女が後ろに立っていた。声をかけてきたのは女の子のほうだった。少し茶髪の男の子のほうは照れくさそうにあさっての方向を見ていた。
「ガイドさん、写真とってもらえませんか?」
そう言いながら女の子がデジカメを見せた。
「はい、喜んで」
マニュアルどおりに答えて撮ってくれる人を探そうとすると、女の子の方が口を開いた。
「私はいいんで、彼と写ってあげてください」
「え?」
キョトンとしてると、もう彼女はカメラの電源を入れてかまえようとしている。
「ガイドさん、いいから。ほら」
男の子の方がニヤけた顔で横に並ぶ。少し茶髪にして肩まで伸ばした髪、香水でもつけているのか甘い香りがして思わず眉をひそめそうになるが、なんとか笑顔をつくってカメラを見ると、もう撮り終わったのか、
「ありがとうございました」
と女の子はカメラをしまった。
「おい、撮るときなんか言えよ」
男の子がそう言うが、彼女はすでに歩き出して行ってしまった。
声に振り向くと、生徒の男女が後ろに立っていた。声をかけてきたのは女の子のほうだった。少し茶髪の男の子のほうは照れくさそうにあさっての方向を見ていた。
「ガイドさん、写真とってもらえませんか?」
そう言いながら女の子がデジカメを見せた。
「はい、喜んで」
マニュアルどおりに答えて撮ってくれる人を探そうとすると、女の子の方が口を開いた。
「私はいいんで、彼と写ってあげてください」
「え?」
キョトンとしてると、もう彼女はカメラの電源を入れてかまえようとしている。
「ガイドさん、いいから。ほら」
男の子の方がニヤけた顔で横に並ぶ。少し茶髪にして肩まで伸ばした髪、香水でもつけているのか甘い香りがして思わず眉をひそめそうになるが、なんとか笑顔をつくってカメラを見ると、もう撮り終わったのか、
「ありがとうございました」
と女の子はカメラをしまった。
「おい、撮るときなんか言えよ」
男の子がそう言うが、彼女はすでに歩き出して行ってしまった。