「あのバスでの出来事は聞かれましたか?最後、生徒たちの中でいちばん鈴木良太をいじめていた生徒を決める裁判がおこなわれたそうです。その中に則子さんはいたそうです。その後の生徒たちの証言で、確かに則子さんは鈴木良太を中心となっていじめていたことが分かっています」
「そうらしいですね」
疲れたように父親が言った。
「逆に言えば、そうであれば犯人たちに則子さんを殺す動機があっても、則子さんには犯行に加担する理由はないわけです」
「じゃあ、則子は・・・」
母親がハッとしたように顔を上げた。
「自力でバスから逃亡したか、犯人たちに連れていかれた可能性のほうが強いと思っています。もちろん、これは私個人の見解ですが」
植園はやさしく言った。
「ああ・・・。ありがとうありがとう」
母親は力なく繰り返して泣き崩れた。
___実際、共犯でなければ下川則子が生きている可能性は低い
泣いている母親をやさしい目で見ながら、植園はそう思っていた。
「そうらしいですね」
疲れたように父親が言った。
「逆に言えば、そうであれば犯人たちに則子さんを殺す動機があっても、則子さんには犯行に加担する理由はないわけです」
「じゃあ、則子は・・・」
母親がハッとしたように顔を上げた。
「自力でバスから逃亡したか、犯人たちに連れていかれた可能性のほうが強いと思っています。もちろん、これは私個人の見解ですが」
植園はやさしく言った。
「ああ・・・。ありがとうありがとう」
母親は力なく繰り返して泣き崩れた。
___実際、共犯でなければ下川則子が生きている可能性は低い
泣いている母親をやさしい目で見ながら、植園はそう思っていた。