少し苦笑すると、
「犯人だらけじゃないの。まぁ、途中までの推理までは正しい可能性があるわね。中沢は犯人たちが鈴木良太の両親ではないことに気づいた、だから殺された」
と、植園は言った。

「これからの行動はどうしますか?」

「下川則子の両親は3日前に愛知に来ているわね?もう一度話を聞きにいきましょう。何かしらのヒントがあるかもしれないわ」
そう言うと、植園は再び煙草を取り出すと火をつけた。

「じゃあ行きましょうか」
吉沢はメモ帳を操りだす。ホテルの名前でも調べているのだろう。

「待ちなさい、今日はもう遅いわ。明日でもいいでしょう。吉沢君も今日は帰りなさい。そろそろお風呂に入った方がいいわよ」
そう言って微笑むと、吉沢は照れくさそうに自分の何日も着替えていないスーツを見た。

「大丈夫、私たちは負けない。必ず犯人を検挙しましょう」
そう言いながら、植園は自分の名前を思い出して苦笑した。

___名は体をあらわす、か