愛知県警につくと、容疑者逮捕の情報が漏れたのかたくさんの報道陣がつめかけていた。吉沢はそこを通りすぎると、地下へ続く道に車を進めた。地下の入り口から案内されてエレベーターに乗り込む。

「間もなく容疑者が到着するとのことです」
７階でエレベーターを降りた植園に待ち構えていた刑事が告げた。

「分かったわ。彼らを面通し室へ」
吉沢にそう告げると、植園は取り調べ室と書かれた部屋に消えた。

「こちらです」
隣のドアを吉沢が開ける。

　その部屋は６畳くらいの小部屋で、ガラス張りになっており、隣の取調室が見えた。

「マジックミラーですか？」
潤が尋ねると、吉沢はうなずいた。

「おい、八木大丈夫か？」
幸弘が尋ねてくるが、そう言う彼こそ緊張で顔がこわばっていた。