あっという間に視界がさえぎられ、続いて銃声が鳴り響いた。

 幸弘はとっさに床に転がった。則子は?亜矢子は?

 目がかすんで見えない。

 運転席の方を見ると、開いていたドアが今まさに閉じられようとしていた。ガタンと音を立てて閉まるドア、すぐさま白い世界に埋め尽くされる。

 生徒たちの悲鳴が上がるが、誰も立ち上がろうとしない。銃声が聞こえそうで怖いのだ。幸弘は自分の頭が急速にしびれてくるのを感じていた。

___睡眠剤?

 そう思う間もなく視界が無理やり閉じられようとしている。眠ってしまってはダメだ、そう思うが体に力が入らない。


「みんな殺されるの?」
すぐそばで亜矢子の声が聞こえたような気がしたが、次の瞬間にはもう幸弘は意識を失っていた。