「それでは、これより最後の処刑をおこないます」

 その声に身体がビクッと跳ね上がった。死刑判決が出るのだ。

 女は3人の後ろにまわり、山本も後ろへと下がったようで視界からは見えない。

「あなたたちは自分の代わりに死んでもらった生徒に感謝しなさい」

 亜矢子の悲鳴のような泣き声が大きくなる。実際、幸弘も叫びだしそうだった。

 その時、幸弘は首筋に風があたるのを感じた。自然に顔が右後ろに向く。すぐそばに立っている女。

___山本は?

 彼は運転席の方にいた。

 ドアが・・・。

 ドアが開いていた。山本がドアを開けたのだ。

「名前を呼びます」

 なぜドアを開けたのだ?
 幸弘の頭の中で警告音が鳴り響く。

___なぜ!?

「その生徒の名前は!」