山本が幸弘のそばをすり抜けてゆく。
思わず憎らしそうに視線をやると、意外にも山本の表情には悲しみが表れているように見えた。
「ちょっと」
女はそう言うと、山本に何かしら耳打ちをした。それは、抗議のようだった。山本もそれに返答すると、麻紀子に視線を送った。
その目に映るのは、やはり悲しみだった。
意外な気がした。
あれほど非道に次々に生徒を殺してゆく山本の目に悲しみが?
しかし、それも一瞬のことで、まばたきを1回した山本の目は再び冷たいそれに変わってしまっていた。もう麻紀子には目もくれずに、まっすぐに前を見つめている。
思わず憎らしそうに視線をやると、意外にも山本の表情には悲しみが表れているように見えた。
「ちょっと」
女はそう言うと、山本に何かしら耳打ちをした。それは、抗議のようだった。山本もそれに返答すると、麻紀子に視線を送った。
その目に映るのは、やはり悲しみだった。
意外な気がした。
あれほど非道に次々に生徒を殺してゆく山本の目に悲しみが?
しかし、それも一瞬のことで、まばたきを1回した山本の目は再び冷たいそれに変わってしまっていた。もう麻紀子には目もくれずに、まっすぐに前を見つめている。