「でもいじめてたんやろ?ついでに殺っとくか?」
山本が銃口を森下の後頭部に押し付けた。くぐもった悲鳴を上がる。失禁をしたのか、尿臭が漂ってきたが、周りの生徒も固まっているだけだった。

 
「・・・よしましょう。良太が望んだことだけをしにきたのだから」
女の静かな言葉にしぶしぶ山本は銃口を下げた。名残惜しそうに森下をにらみながら、山本が女のもとに帰ってくる。

 主従関係は女の方が上らしい。


___主従関係・・・?
 

 またあの何とも言えない感覚が麻紀子を包んだ。


「おかしい」
自然に口から言葉がこぼれた。目が宙をさまよう。

「どうした?」
八木が顔を少しこちらに向けて聞いてくるが、麻紀子には余裕がなかった。