「杉山!あんたはどう思うのかって聞いてるのよ!」
荒立った口調で女が杉山を見やった。

「・・・」

「答えろって言ってんのよ!良太をいじめていた時の威勢の良さはどうしたのよ!」

 杉山は大きく全身でためいきをつくと、
「殺せよ」
と低い声でうなるようにつぶやいた。

 斜め後ろの山本がいぶかしげに眉をひそめる。

 
「今、殺せって言った?」
女も目を丸くして聞いた。

「ああ、どっちみち殺すんだろう。さっさと殺せよ」

「ふーん、怖くないんだ?」

 もう杉山は答えずに目を閉じている。