フッと女は息を吐き出す。その表情からは笑みは消えていた。
「藤原君、あなたって本当にバカね。良太がいる世界でそれを伝えてあげてほしいのよ」

「え・・・?」
意味の分からない藤原が愛想笑いを浮かべた瞬間、女の銃口から火が吹き藤原はすごい勢いで後ろにのけぞった。

 悲鳴がかけめぐり、周りの生徒が一斉に伏せた。


 麻紀子は藤原がそのままシートの下に沈んで行くのを呆然と見た。

「そんな・・・」
思わず女を見た。横にいる山本とまた目が合う。

「見るな」
八木がつぶやいたが、麻紀子は目が離せずにいた。その瞬間、また違和感が麻紀子を襲った。


___これは・・・何?