「とにかく、泊めてもらうなんてできませんって」
ここで泊めてもらえなければ100パーセント野宿することになるだろうけど、今は夏だし、朗もいる。
一日くらい、空の下で寝られないこともない。
「だって。夏海が駄目だって言う」
「そうだねえ」
朗がなんとも残念そうにわたしを見てくる。
そもそも何もかもがお前のせいだと言うのに。
「さ、朗、行くよ。いつまでだらだら休んでるの」
「えー……」
わたしは嫌そうな顔をする朗の腕を引っ張り、無理やり立たせた。
これ以上ここにいたら決心が鈍りそうだから。
早く、行かなければ。