───わたしはきっと、誰かに必要とされたかったんだと思う。

誰かを愛して、愛されたくて。


この世にあるのは幸福ばかりじゃない。

だけど、誰かを愛している限り、いつまでもわたしは幸せでいられるのだと、そう信じて。



それでもわたしは愛されなかった。


それが不幸だと、感じたことはなかった。

ただ、小さな喉が切り裂けるほどに叫んでも、届かない声もあるんだと、わたしは知った。



だけどわたしは愛された。


それほど幸せなことはこの世にはないと、人に愛されることがどれほど幸福なことかと、わたしはそれを知っていた。


愛されることの喜びも、感じる温もりも、優しさも。

わたしは全てを知っていた。



だからこそわたしは、わたしの心は。


こんなにも深く、絶望してしまっているのだから───