───ねえ、朗
なんできみは、すぐにわたしを泣かせようとするんだろう。
せっかく、もう泣かないって決めたのに、きみの言葉すら滲んで見えなくなってるよ。
でもね、笑うから。
きみが笑ってって言うから、涙は出るけど、それでも笑うよ。
だってわたしは、きみのためならなんだってできるから。
これから先、きみのいなくなった未来を生きていくことだってできるし、幸せにだってなってあげる。
終わりが来ないように、本当に終わるそのときまで、いつだって、笑っていてあげるよ。
だけどね、きっと、きみを忘れることはない。
きみと過ごしたあの夏は、いつまでも、消えることなんてないんだよ。
きみは、終わらないものはないって言った。
でも、終わらないものも、きっとあると思うんだ。
わたしはそれを、大切に、仕舞って生きていこうと思うよ。