部活が終わって部室で着替えてると、幹太がそばに来た。


「何?」


ボクが聞くと幹太は心配そうにボクを見ている。


「ソウ、お前、今日何かあったのか?」


「え?」


「ずーっとボサーっとしてたし、1年に抜かれるなんて今まで練習でもないだろ?」


「いや、たまたまじゃない?アイツ上手くなったよな」


ボクは笑って、ボクのチェックをあっさりかわした1年を褒めた。


「マジっすか?」その1年の嬉しそうな声が聞こえた。


幹太もボクも1年の方を向いて「ま、まだまだだけどな」と笑い返す。


「ルウコちゃんと何かあった?」


幹太は再び心配な表情でボクを見た。


「何か?・・・そうだな・・・」


ボクは幹太にギューっと抱きついた。


ボクの行動に幹太も周りもビックリしてる。


「こんな出来事がありました」


ボクが笑っていうと、幹太は「え?」と驚いてる。


「ソウ先輩いいっすよねー、あの柏木さんが彼女で。しかもギューでしょ?」


1年の声に「うらやましいだろ」とニヤっと返す。


それでも幹太はボクを真剣な目でジっと見ていた。