「あら、ソウちゃん。いたの?存在感ないからわかんなかったよ」
ボクを見てニタっと笑う。
「存在感薄くてすいませんね」
ボクは明日香のほっぺたをギューっとつねった。
「いったぁい!!ちょっと、ルウコ!あんたの彼氏ひどいよ」
明日香より大分遅れて歩いてきたルウコに明日香がほっぺたをさすりながら文句を言ってる。
そんな明日香を見てルウコは笑っていた。
「ルウコ、大丈夫なのか?」
ボクが聞くと、ルウコはちょっと元気のない笑顔で「うん、平気」と言った。
ルウコは朝から調子が悪かったみたいで、朝『保健室で寝てる』とメールと来ていた。
今は昼休みの終わりだから、相当具合悪いんじゃないかと心配していた。
ボクが保健室に様子を見に行こうとしたら、明日香が「あたしが行くから」と言って断ってきた。
「ルウコちゃん風邪?」
やっと痛みが治まった幹太が聞く。
「うーん、貧血みたいな・・・そんな感じ」
ルウコの答えに何か歯切れが悪いのが気になる。
「幹太ぁ、あんた顔はいいのにモテないのわかるわ。女の子には具合悪くなる時があるんだよ、察しなさいよ」
明日香が笑いながら幹太の肩を叩く。幹太は「あ・・・」と言って真っ赤になった。
(それって・・・俗に言う「女の子の日」?)
ボクがルウコを見ると、ルウコは「ちょっと」と明日香に赤くなって文句を言っていた。