「ねぇ、どう思ってるの?」
飲み物を流し込んで落ち着いた頃にもう一度聞かれる。
「え?・・・どうだろう?あははは」
照れ隠しで笑って誤魔化す。
そんなボクを見てルウコはちょっと寂しそうだ。
(ここは、言うべきなんだろうな)
でも、ボクは自分の気持ちを言うのは苦手だ。
歴代の彼女にも「ソウに好かれてる気がしない」と言われた。
「まぁ、いいや。こうやって約束を守ってくれたし」
そう言うルウコに「違うって!」と慌てて言った。
「え?」
ボクはどうしようか迷ったけど、ボクだってルウコに気持ちはある。
「オレも、あの、えっと・・・ルウコと同じ気持ち・・・です」
ボクの、ボクなりの精一杯の言葉だ。
ルウコは口に手を当てて驚いている。
ボクはルウコの顔はほとんど見れなくて、代わりにルウコの手を握った。
「オレでよかったら、付き合ってください」
しばらく間があって、握った手を強く握り返してきた。
「あたし、ソウちゃん大好き!だからずっと手を離さないでいてね」
ルウコの冷たかった手から優しい温もりが伝わった気がした。