約束している図書室に行くと、ルウコはいつもと同じ席で、またいつも読んでいる難しい本を見ていた。
図書室の入り口でボクはしばらくルウコに見とれてしまう。
本に目を通しているルウコの伏目がちの目は遠くから見ても、睫毛が長いのがわかる。色白で細い腕で頬杖をついていて、黒いロングヘアが風で揺れている。
ボーっと見ているボクにルウコは気がついたみたいで、また本をパタンと閉じた。
そして嬉しそうな笑顔で席を立つ。
「ソウちゃん、部活休んで大丈夫だった?」
「え?あぁ、大丈夫。心配ないよ」
慌ててボクは答える。
「何かごめんね?一緒に帰りたいって事は部活休ませちゃう事だもんね」
「いや、いいんだよ。たまには休みてーし。それに・・・」
「それに?」
顔が一気に赤くなる。
「オレがルウコと一緒に帰りたいから」
(うわぁー!!恥ずかしい!!オレ、こんなキャラだった!?)
ボクのそんな言葉を聞いて、ルウコもちょっと赤くなってうなずく。
「あたしも、あたしもソウちゃんと一緒に帰りたい」