「今日はね、ママが父ちゃんとの昔のお話をいっぱいしてくれるの」


近くの大型スーパーの衣料品売り場でとりあえず買ってきたパジャマを着ながらツナミが言った。


「昔話?」


ボクもTシャツにスエットを履きながら聞き返した。


「そうだよ。ママは昔から美人さんだったの」


「誰がそんな事言ったんだよ」


「見ればわかるじゃん。父ちゃんってダメねー」


「あ、そうですか」


ボクは呆れた。


「ツナミ、お父さんも優しくてモテモテだったんだよ」


ルウコが言うとツナミは疑わしい顔でボクを見た。


「ママ、そんな事絶対ないよ。父ちゃんってボケボケしてるもん」


「あるわよ。ママ、お父さんの事大好きだったのよ。ママが最初に好きだったんだから」


ツナミがビックリしながらボクとルウコを見た。


「そうなんです。残念だったな、ツナミ」


ボクはニヤっと笑った。


「ウソだー!!!」


ツナミは信じられないという顔をしていた。