「ソウ?朝練始まるぞ」


後ろから声をかけられて、ビクッとなった。


ゲームシャツを着た幹太がいた。


「あ…、今行くわ」


ボクは不自然な笑顔で言った。


「何か具合悪いのか?顔色、変だけど」


幹太は首を傾げている。


「え!?何だよ、オレ元気だよ!!」


ボクは幹太にジャンプしてみせたり、幹太が持っていたボールをリフティングしてみせた。


幹太はそんなボクを怪訝そうに見てたけど、



「ま、いいや。早く行こうぜ」


と先に歩いて行ってしまった。


幹太は単純で鈍いから助かる。



ボクはもう一度、ルウコの下駄箱を見てから朝練に向かった。