「お邪魔します」
玄関でルウコが頭を下げると、姉貴も母親もニコニコしていた。
「いらっしゃい、ルウコちゃん。入って入って」
ボクが何か言う前に姉貴がルウコの腕をグイグイ引っ張ってリビングに連れて行ってしまった。
「あ、あの・・・これ、お菓子を・・・」
ルウコが紙袋を手渡そうとしていても、「とりあえず入ってからね」とさっさと行ってしまった。
ルウコと目が合ったボクは苦笑いをした。
ボクの隣にいた母親がボクの背中をバンと叩いた。
「ビックリするくらい美人でしょ!離すんじゃないわよ」
ニヤっと笑ってからリビングに戻って行った。
犬達までルウコの周りに群がりながら行ってしまう。
(充分、変な家族だと思われてるぞ)
ボクはため息をついてリビングに向かった。