いつも並ぶ場所にはくたびれたサラリーマンと、そして、いつものように涼子がいた。

「おはよ」
見ていた参考書から目を離して涼子が言った。

「おはようございます。涼子さん、試験ですか?」

「そ、期末テストが近くてね。まいっちゃう」

 涼子が言うと、ちっともまいっているように聞こえないから不思議だ。

涼子は私の通う学校の大先輩。
エスカレーター式に上がっていく我が校は、下は幼稚園から上は大学まである。