朝の町並みが、その日は違って見えた。

 急ぐサラリーマンにまぎれて駅へと歩く道、いつものように角を曲がるとすぐに商店街につづく。

 シャッターのまだ閉まっている商店街をすすみながら、私は考えた。

「なにが違うんだろう?」

 いつもと同じ光景のはずなのに、何かが違って見える。

 駅について定期券を自動改札に通すころには、そんなことも忘れ、プラットホームへ続く階段を駆け上がる。