「もしかして寝てた?」

「いえいえ、どうぞ」

 招き入れると、素直に入ってきた涼子はベッドのはしっこに腰をかけた。

「小浜さんは?」

「うん、さっき部屋にもどった。まだ菜穂ちゃんもいたよ。これから3人でトランプやるっていうから私はカナちゃんともう少しお話したくてこっちきたの」

 上目づかいでにっこりと笑われると、うれしくなる。
 はじめからそのつもりだったのか、コンビニの袋からお茶をもらうと私たちは向かいあって座った。

「さて、まずは恒例の昨日の番組批評からいきましょうか」

 毎朝の電車の中での会話のおきまりだった。

「えっと、昨日は・・・」

「不倫だね」

 あぁ、そうかと思う。たしか不倫に悩んでいるOLの話だっけか。


「そういう恋愛もあるのかなぁ」
 お茶を少し飲んで涼子がつぶやく。