そうして説教されながらも、私はなぜか幸せな気分だった。仲のいい両親がいて、優しい姉がいる。これはなんて幸せなことなんだろう。


 子供は親を選べない、と言うがまさしくそうだ。何にも悪くない子供が傷つき、親達は自分のプライドや欲のために好き勝手やってる。

 きっと立場が違えば、見方もかわるだろう。それでも、なんだかやるせない気持ちになる。

 
 その一方で、「私はそうならなくて良かった」という変な差別感覚が芽生えたようで罪悪感もある。

 複雑な思いに胸が苦しくなる。涼子を思うたびに、心臓が跳ねるような気分。

 
 いつものFMもとっくに終わっており、私はベッドで何度も寝返りをうちながら浅い眠りに落ちていった。