「あーあ、しらけるなぁ」
いつの間にか、そばにさっきの若い男が立ってあきれたような顔で、彼女を見下ろしていた。

「すぐヤラせてくれるって言うから来たのによぉ。つまんね」
 ジーパンのポケットに手を入れたまま舌打ちをすると、そのまま男は立ち去ってしまった。

 しばらく黙ったまま、その場に座っていた彼女はやがてノロノロとスローモーションで立ち上がると、
「ごめんなさい」
と私に言った。

 なんて答えていいのか分からず、首を振るだけで精一杯だ。
 

「夫がね・・・浮気してるのよ。もうずいぶん前から。なんだかバカみたいだけど、反抗するかのように私まで浮気してるの。はは、うちはもうボロボロなのよ」

「・・・・」