長い沈黙のあと、恵美はようやく私を見て、
「なるほどねぇ。あんたってそういう星周りなのかもねぇ」
と納得したように言った。

 なに?星周りって?こんなときに星占いでもはじめようとでも言うのだろうか?

「昔からあんたは、いわゆる『巻き込まれ型』なんだよね。ほら、覚えてる?お隣さんに泥棒が入った時あったでしょ?」

「あぁ、あったね」
もう、何年も前のことだ。いったい今回の話とどうつながるのか・・・。

「あのときも、あんた、あやしい人影見ちゃったじゃない?だから、関係ないのに、夜中まで警察であれこれ聞かれて、挙句に翌日熱だしちゃったよねぇ」

「あれには参ったけどね」

「そうやって、何か事件が起きると、しらずしらずに渦中に巻き込まれちゃうのよね。でも、そのおかげで助かってる人もいるわけだし、無駄な巻き込まれ方じゃないだけいいけどさ」

 のどもとまで「で、答えは?」と出かかったが、なんとかそれを飲み込んで私はうなずいた。今はあせらさない方が得策だと分かっている。