…何してんだよ。

もっと拒めよ。
もっと俺を突き放して、メチャクチャに罵れよ。



もう顔も見たくない!とか
そんなふうにズタズタに傷付けてくれればいいのに。


そしたら俺だって、諦めがつくから。


もう何年も…何年も抱え続けてきた想いに、夏海が鍵を掛けろよ。




――そんな泣き顔をされたら、また抱き締めたくなる。







「……あ」


思わず小さく声を漏らした。

もしかしたら、と思いながら通りかかった公園。


そこのブランコに座る人影は暗がりの中でも彼女だと分かり、あっさり見つかったことに安堵のため息をつく。