『ちょ、夏海…!』 『碧』 私は、私の腕を掴もうとした碧を制した。 この時の私はきっと…今までの中で一番大人で、そして一番子供だった。 『お母さん達だって、私達のことは仲良しだって言うでしょ。幼なじみだもん』 『…っ』 『碧は私の、大好きなお兄ちゃんだよ』 どうしようもなく、傷付けた。 彼の優しい想いに、封をした。 ――ずっと気付いてたのに。 ずっと気付かないふりをしてきた。 好き。 この気持ちを、拒んだ。