私と香奈はベランダに出た。 沙知絵さんが与えてくれた二階の、碧の隣の部屋。 もう夜になろうとしている、夏の空が綺麗に見える。 1日が長いようで、あっという間だった。 「お母さん、明日には来るって。あとね、お母さんの聞き間違いで、結婚式はしあさってにあるみたい。だから1週間も経たないうちに帰れるよ」 香奈は私を気遣っているようだった。 少し俯き気味の妹の頭を、ポンと叩いてやった。 「そっか」 空を見上げた。 もう一番星が見える。