何が起きたのか分からなかった。


気が付けば私は碧の腕の中にいて、
強く抱き締められていた。



「…ちょ、碧…っ」

「…んでだよ……」

「やっ…ダメ!離して」

「……ムカつく…」



腕の中で暴れる私を、碧は強引に押さえ込んだ。

そして私の顎をくいっと持ち上げると、顔を近付けてくる。



「や…っ、やめ……んんっ」


無理やり唇を奪われて、私は一瞬呼吸を止めた。


頭の中が真っ白になる。