一瞬、目の前の光景が信じられなかった。 息を切らして、少し上下している細い肩。 相変わらずの長身に小さな顔。 少し困惑した表情を浮かべているのは、碧色がかったあの瞳。 大人びた。 だけど変わらない。 その人は、私の名前を呼んだ。 「……夏海」