ベッドと机の位置は変わらない。 本棚が、少し移動したかな。 でも中身は空っぽ。 あまりに殺風景なその部屋に、どうしようもない寂しさが込み上げた。 …ああ、もう。 もう無いんだ。 あの居心地のいい場所は、もう私の傍にはない。 そう思い知らされたような気がした。 ねぇ。 皆、少し買い被り過ぎだよ。 …碧は私のことなんてきっと、もう忘れてる。 あの頃はまだまだ幼かったんだ。 人を愛するには。