「「いただきまーす」」 すぐ近くにあった、小さな和風喫茶店に入った。 二人して、目の前に運ばれてきた餡蜜に手をパチンと合わせる。 付き合わせてしまったお詫びに、香奈に何かご馳走しようと思っていたから。 つぶあんたっぷりの白玉を口に含むと、甘さがふんわりと広がった。 「美味しーい!」 きゃっきゃっとはしゃぐ香奈を見ながら、私は熱いお茶に手を伸ばした。