互いの指から伝わる温もりが、何かを溶かしていく。 はぁと息をついた。 こんなに暖かい場所に、気付けずにいた。 「…なんで似てるなんて思ってたんだろうな」 「え…」 「全然似てない」 「あ、碧…?」 「…悪かった。今まで、本当にごめん」 俺はそっと麻美の体を抱き締めた。 言わずとも伝わると思った。 いつも傍に居てくれたのは彼女で 俺が傍に居たいと願うようになったのも 彼女だった。 「…愛してる」 「ちょ、泣かさないで…化粧が崩れる…」