互いの指から伝わる温もりが、何かを溶かしていく。
はぁと息をついた。
こんなに暖かい場所に、気付けずにいた。
「…なんで似てるなんて思ってたんだろうな」
「え…」
「全然似てない」
「あ、碧…?」
「…悪かった。今まで、本当にごめん」
俺はそっと麻美の体を抱き締めた。
言わずとも伝わると思った。
いつも傍に居てくれたのは彼女で
俺が傍に居たいと願うようになったのも
彼女だった。
「…愛してる」
「ちょ、泣かさないで…化粧が崩れる…」
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…