すぐには分からないけれど、だんだん目覚めてくるにつれて目の前の景色を思い出してくる。 8年前の…景色。 あぁ、こんな感じの場所だったっけな。 私はちょっと微笑んで、手を窓に触れさせた。 そして、ぽつりと呟いていた。 「もう…私だけのお兄ちゃんじゃないんだな」 勢いのあまり家を飛び出して こんなところまで来てしまったのは、 きっとそれが寂しいからだ。