――――Aoi SIDE―― 階段をゆっくりと上がった。 少しずつ呼吸を整えながら。 控え室に辿り着くと妙な緊張感を覚えながら、ドアノブに手を掛ける。 …ガチャッ… ドアの向こうには、至ってシンプルな光景。 少しの荷物と、テーブルの上に置かれたままの手袋。 誰もいないことに何故か安心していた。 一瞬だけでいいから。 今、この瞬間だけは一人でいたかった。