「碧…」

「…それでも、伝えたくなるんだよな」



碧はポケットから何かを取り出した。

まだ手袋をはめていないままの手のひらにそれを置いて、もう片方の手で私を招き寄せる。



…だから、そっと近付いてみた。



「な、何…?」

「いいもの」

「え…」



その手のひらに乗っていたのは、
四つ葉のクローバー。


懐かしさに目を見開いた。


「これ…」

「今朝、公園で見つかった」