―――翌朝。 私は逃げ惑っていた。 桂川家、前代未聞の大騒動が起きていた。 「いーやーーっ!嫌だってば!」 「絶っっ対に似合うから着なさいってば!…こら、香奈も!」 「やーめーてぇぇっ」 逃げ惑う姉妹。 追う母。 式に出る出ない言ってる場合ではない。 あのフリフリのドレスだけは、何が何でも勘弁して欲しかった。