呼吸がうまく出来ない。 ココロがぴりっとした。 かさかさの表面が少しずつ割れて、温かい何かが流れ出す。 「……っ好き……」 「夏海…」 「好き…好き!それだけなの……私が言える本当の気持ちはそれだけで…それが全部なの…」 碧の腕を、シャツ越しにぎゅっと握り締めた。 手の震えが止まらなかった。 顔を上げた。 碧の顔がすぐ近くにあった。 私はゆっくりと、微笑んだ。 「もし私が…これ以上を言うとしたら」 言うとしたら。 「…私はもう、碧には会えない」 息を吐き出すように、言った。