それは確かにありがたい。
「ありがと、祐樹」
「いやいやぁ。…それより」
祐樹と香奈は互いに目配せをしてから、私に向かってとびきりの笑顔を見せた。
…いつの間にそんなに仲良くなっていたんだろう。
「「羨ましいなぁ〜碧兄ちゃんと、デート☆★」」
「…!?」
私は慌てふためいて、横の碧に目を遣った。
幸い碧は反対側の窓から顔を出して、私のお母さんの相手をしてくれていた。
…母、グッジョブかもしれない。
「そっ…そんなんじゃ…だって碧は明日けっ…」
「まあまあ。なっちゃん」
祐樹は私の唇の前に、しっと指を立てた。
「今日だけはいいだろ?そういうの、気にしなくてもさ」
「…っ、祐樹…」