――キキーッ…!
「…っ?」
順調に走っていた車が、ふいにブレーキを掛けた。
「ん?あれって…」
どうやら碧が何かを見つけたらしい。
私も碧の視線の方向へと目を遣ると、びくっと体が跳ねた。
こっちに向かって歩いてくる三人組。
あ、あれは…
あの三人は…
「…ゆ、祐樹!?それにお母さんと香奈…」
私がそう言うと、碧は「マジかよ…」とこめかみを押さえてハンドルに肘をついた。
一足先に気付いたのは、お母さんだった。
厚化粧をしている顔をぱあっとさせて、止まった車に向かって駆け寄ってくる。
「碧くんじゃない!久しぶりね〜」
「お、お久しぶりです」
碧は一瞬怯みながらも、すぐに爽やかスマイルになった。