だけど碧はさらっとそう言って、私を振り向いた。

そしてベッドの上に座る私の肩を軽く掴む。



「…!」

「…夏海がそんなふうに俺のことを意識してるから、話がややこしく見えるだけ」



――そんなふうに、って…


私は瞬きを繰り返した。
ココロというのは自分でも無意識のうちに、行動に反射されるらしい。

顔が赤くなるような気がした。



「…っ」

「いーから、早く着替えろ」

「わ、わかった…からっ…」



碧が出て行った後も、肩の触れられた部分がまだ熱かった。



この夏ずっと着ようと思って何故かずっと着れなかった水色のワンピース。

最後のチャンスかも、と思いながら腕を通した。


ワンピースを身に纏って肩のリボンをきゅっと結んだ時、ケータイが振動した。